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タカフル(Takaful)の話 ※タカフルとはイスラム教徒向けの保険

タカフルって知ってますか?一言でいうとイスラム教徒向けの保険です。イスラム教徒は宗教上の理由で保険に入れないんですよね。そのためみんなタカフルに加入しています。たとえば自動車タカフル(≒自動車保険)とか、生命タカフル(≒生命保険)とか…。

昔僕はシンガポールに駐在していたんですけど、その時にタカフルについて軽く調べたことがありますので、今回はタカフルの基礎について解説してみます。

なぜイスラム教徒は保険に入れないのか

上記で述べた通りタカフルはイスラム教徒向けの保険制度になるんですけど、なぜイスラム教徒が保険に入れないのかというと、理由は2つです。

利子

保険会社はお客さんから貰ったお金を運用しますが、その際に預金や国債で運用することもあります。そして、預金であればお金を預けているだけで、国際であれば持っているだけで利子がもらえます。この「利子を受け取ること」はイスラム教徒にとっては禁忌行為です。イスラム教徒の聖典「コーラン」では不労所得を得ることを禁止されているんですけど、「利子を受け取る行為」が不労所得とみられてしまうのです。

不確実性

保険金ってのは貰えるかもらえないか不確実です。事故に遭えばもらえるけど、あわなければもらえない。つまりお金(保険料)をはらっても対価(保険金)がもらえるかどうかは不確実です。コーランではこういった不確実な商行為を禁止しています。お金を払ったら何らかの対価を与える(ギブアンドテイク)を奨励しています。保険に入っているという安心感は対価にならないんですね…

タカフルと保険の違い

タカフルは保険の持つ上記2つの要素を排除したものになります。具体的に言うと

必ず何らかしらのお金はもらえる

タカフルは掛け捨てではなく、いくらかのお金が戻ってきます。タカフル運用会社(≒保険会社)は、最終的に余ったお金は加入者へ返すんですね。戻すお金も加入時に知らされます。

資金の運用先が厳格

日本の保険会社では、みなさんから貰ったお金で国債を買ったり、銀行に預けたり、株を買ったり自由に運用していますが、タカフルの場合は国債はNG、豚肉を扱う会社はNG、ギャンブル関係(カジノなど)の会社もNGなど制限がキツイです。

シャリアアドバイザリー(≒社外取締役)の存在

日本だと社外取締役という組織が外部からの目で会社を監視してくれていますが、タカフルの場合はシャリアアドバイザリーというイスラム教の専門家集団が企業を監視しています。この人たちが資金の運用先など、厳格にチェックしているんですよ。

タカフル会社の現状

つまりタカフルは保険会社とくらべて色々厳しいんです。運用先は制限されるし、お客さんに返すお金が決まっているからそれ以上の収益を得ないといけなかったり。。そのため経営がやばい会社がいくつかあります。決算上はうまくいっているように見えても、実際は赤字で経営破綻しかけているケースはあります。アジア域は日本にくらべて決算数値もザルですからね。

イスラム教徒は絶対に保険に入らずタカフルに入るのか

冒頭でタカフルはイスラム教徒の保険と言いましたけど、普通に保険に入っているイスラム教徒はいます。少なくとも僕の職場にいたイスラム教徒の女性は「保険にはいっているよ。タカフルとくらべてサービスがいいから!」と言ってました。結局はサービスですね。。。逆に無宗教の中華系シンガポール人がタカフル加入していたケースもありました。

アジア域のイスラム教徒は中東に比べると緩いからね。普通に酒飲んでる同僚もいたし(イスラム教ではアルコール禁止です)。タカフルだろうが保険だろうがそこまで重要視していないのかもね。

というわけでタカフルの話は以上です。何か質問があればお待ちしています(無いか)。

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