前回の続きです。

損保が激務か否かについて語っていきます。激務かどうかは部門によって違うので、今回は法人営業編です。
法人営業は激務なのか
法人営業とはその名のとおり法人(大企業)相手に保険営業をしかける部門です。大企業には必ず保険担当部署があるので、その方と密に連携します。扱う保険はその企業の従業員向けの保険(団体自動車保険、団体火災保険、など)とその企業自体を守る保険(企業総合賠償責任保険、サイバー保険、D&O保険、E&O保険、生産物賠償責任保険、貨物運送保険、など)。リテール営業部門とは扱う商品が変わります。
ちなみに僕は20代後半から30代前半にかけて法人営業部門に所属していました。そこそこ忙しかったし、上司に詰められて半泣きになったこともあるけど、総じてやりがいはあるし面白かったなぁ。
キツイところ
①扱う金額が大きすぎる
企業向けの商品は補償範囲や補償金額もハンパないけど、保険料(売上)もすごい。一つの契約で数千万円~数億円になることはザラです。もし取引先企業に既存の契約を全部他社に切り替えられたら、その影響は甚大です。
僕の同期で法人営業部門に所属していた人が、お客さん(みんなも知っている大企業の子会社)に粗相を何度もやってしまい、相手の保険部門長が大激怒。契約を全部切り替えられてしまったことがあります。その結果、知り合いは地方のリテール営業部門へ飛ばされてました。。ちなみに粗相というのは、締め切を守らなかったり、打ち合わせ時間に遅れたり、ちょとしたことの積み重ねでした。。
②個人の努力ではどうにもならない理不尽さもある(例:株式持ち合い)
損保には皆さんから受け取った保険料を運用する部門(いわゆる『運用部門』)があります。運用の仕方は不動産投資や個人向けローンだったり色々あるんですが、もちろん株式投資もします。
僕が法人営業時代、取引先企業に既存の保険を他社に数個切り替えられたことがあります(合計約1億円の売り上げダウン)。理由は競合他損保がその企業の株を大量に買ったからです。このように株式持ち合いで契約が動くことがあります。
さすがにこれは僕個人ではどうしようもないと思うんだけど、上司に報告したら『なんで事後報告なんだ!事前に察知できていれば、何らかの対処は打てたろ!!』とのこと。顛末書まで書かされました。
株式購入の話なんて機密事項だし、さすがに察知できないでしょう…理不尽すぎる。結局顛末書を書いていた時期がちょうどクリスマスで、職場の先輩や女性陣が僕のために慰め会を開いてくれましたが。
③特殊な保険すぎて、わけがわからない
自動車保険や火災保険といった一般的な保険であれば、色んなマニュアルが社内に整備されてるんですが、僕ら法人営業が扱うのはD&O(役員賠償責任保険)、天候デリバティブ、リコール保険、生産物賠償責任保険…などなど特殊なものばかり。社内にもマニュアルは殆どなく、わけがわからない。お客さんから色々質問を受けても、答えられないことも多い。
保険契約時にお客さんからいただく情報も多岐に渡る。自動車保険であれば自動車と運転者の情報を聞けば事足りるけど、天候デリバティブなんて何を聞いたらいいのかわけわからん。
いいところ
①出張多い
一つ一つの契約がとても大きいので(金額的に)、実際に実物を見に行く機会が多くなります。また大事故が発生した時はお客さんと一緒に現場へも行きます。僕は取引先の工場に大規模事故が発生した際、その工場のあるマレーシアまで一緒に行ったことがあります。楽しかったなぁ。
②スキルがつく
大企業向けの保険に詳しくなりました。今も転職活動していますが、ありがたいこと色んな企業から声がかかっています。どの企業にも保険部門はあるからね。
③社内的にヒエラルキーが高い
法人営業部門は社内的にはエリートが集まる部門と思われてまして、(社内では)いい顔ができます。あくまで社内だけですが。
結論
法人営業は忙しいかったですけど、仕事の面白みは存分にあったのでいいところでした。またやりたいなぁ。激務度でいえばリテール営業と自動車損害査定よりは10倍マシです。
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