損保ジャパンが課長職を立候補制にしたそうです。

記事を抜粋しますと
SOMPOホールディングスは、今年から20ある部長ポストを人事が決めるのではなく公募制としていますが、来年4月からはこれをおよそ60あるすべての課長職まで広げることが日本テレビの取材でわかりました。
とのことです。
この記事にあるすべての課長職を立候補制にしたことについて、現役損保マンであるわたくしが感想を述べます。
感想①:立候補者をどうやって審査するの?
メガ損保にはたくさんの人が働いてますので、毎年200~300人近くの人が新しく課長職になります(総合職と一般職の合計)。それをすべて立候補制とのことですが、どうやって審査するんすかね。応募者がどのくらいでるのかわかりませんが、面接する時間はないでしょうから、書類審査?
記事をみますと募集要項に「必要なスキル」が明示されているようですが、どんなスキルですかね。高い責任感とか高いマネジメント能力とかを条件にしてしまうと、だれでも応募できてしまう。そのため定量的な基準にするんですかね。直近の人事考課が一定基準以上、TOEIC〇〇点以上…とか?
あと立候補者は誰が判断するんですかね。人事部が判断してたら今までと変わらないですが。
ところで今既に課長な人はそのまま課長なれるんですよね。基準を満たしてないと降格対象となるってことはないですよね…。
感想②:立候補制にすることで、デメリットもある
日系損保は基本的に年功序列です。課長職であれば、よっぽどのことがなければいつかは昇進できます。損保ジャパンであれば課長職の年収は軽く1400万円は超えてくるはず…(総合職なら)。
この年功序列と高年収はメガ損保で働くメリットだと思います(個人的には『唯一の』メリットだとおもう)。立候補制をとることで優秀な社員が課長を務めるようになりますが、その他平均~平均以下の社員は課長に上がれなくなります。
会社にとってはいいことだけど、当の本人はたまらないでしょう。そしてこのメリットがなくなったら損保で就職することのメリットってあるんですかね。まぁ課長になれなくても年収1000万円は軽く超えるから大丈夫かな。
あと、『目標を達成できないと異動や降格の可能性がある』ってのは非常にやばい。これは絶対やめた方がいい。降格すると給料が数百万円落ちるので、私生活にも多大な影響がでる。となると不正してでも成績を良く見せる人が絶対にでてくるし、パワハラで部下を働かせる人が出てくるとおもう。いや絶対でてくる。異動ってのはどういうこと?左遷?そんなことしたら本人のモチベは下がるでしょうね。
一度昇進させといて、思ったより良くなかったからやっぱり降格or左遷させるっていうのは無責任では、、。
感想③:良い制度に見えるけど、極論すると会社は人件費を削りたいんだよ
度々申してますが、損保にとって人件費は大きなコストなので、削ることに必死です。
理想形は一部の優秀な人はたくさんの給料を払うけど、その他大勢の平均以下の無能な人には去ってほしいと考えています。これは損保業界に限らずどこも一緒だと思いますが。
株主としての目線なら正しい行為なんですが、、実際働くとなると話は別。。僕のように昇進に興味が無い人には相当きつい制度ですねぇ。。
とはいえ僕だったら立候補しますね。というか応募せざるを得ないね。
感想④:損保ジャパン(SOMPOホールディングス)は面白い会社だなぁ
損保ジャパンは常に我が道を行く感じですね。東京海上も新しい取り組みが好きな会社ですが、保守的です。あまりぶっ飛んだことはしません。三井住友海上は東京海上の真似が多い(東京海上がやってみて、うまくいってそうなら真似る)。損保ジャパンは突き抜けているのが面白い。
ところで、この立候補制度ってSOMPOホールディングスだけで傘下の損保ジャパンは対象外ってことはないよね??もしそうだとすると拍子抜けですが。
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