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損害サービス部門に所属していたころの思い出話②

前回の続きです。↓↓※特定を防ぐため、多少事実と違うことを織り交ぜて書いてます。

大学生の死亡事故の損害賠償金について

みなさんに想像してもらいたいんですけど、大学生の方が交通事故で亡くなられた場合、賠償金はどれくらいもらえると思いますか?

詳しい説明を省きますが、自賠責保険基準、保険会社基準、弁護士基準と3つの基準があって、それぞれの基準によってもらえる賠償金は変わるんですけど、自賠責なら3000万、保険会社基準なら…8000万円程度、弁護士基準なら1億円くらいだと思います。

我々は任意保険会社なので、約8000万円となります。

どうでしょうか、、多いと感じるか少ないと感じるか。少ないと感じる人の方が多いかな…。いままで十件以上の死亡事故を担当してきましたが、大抵「それしか支払われないの?」と言われます。

被害者遺族と揉めた

今回の事故は女子大生が亡くなられた事故なので8000万円を支払って円満に示談……とはなりませんでした…

なぜなら、この8000万円は過失相殺がない場合(つまり加害者の過失が100%)に支払われる金額だから。基本的に追突事故、どちらかの赤信号無視、センターラインオーバーによる正面衝突以外に加害者が100%となることはありません…。

今回の事故は直進中の原付と車線変更した加害者が起こした事故です。亡くなられた被害者にも過失割合が発生してしまうんですよ。

その割は大体20%くらい。。

つまり、8000万円×80%(加害者の過失割合)=6400万円がこちらの提示できる金額になります。

落ち込んでる遺族に対して、当時20代中盤の若造(僕)が「そちらにも20%過失があります」という話をしないといけないのがほんと辛かった。。

今でも覚えてるのが、過失相殺の話をした時にご遺族の父親と母親に激怒されたことですね。。亡き娘に過失があるわけがないと。加害者が全面的に謝罪をしているのだから、過失はゼロだ…とのこと。

気持ちはわかるし僕も過失相殺なんてせずに支払ってあげたいのですが、それは無理です。賠償金の原子は皆さまから貰っている保険料ですからね。賠償金は適正に支払わないとね。

その後…

こういった大きな事故の場合、過失相殺の交渉は一切譲歩できません。5%譲るだけで大きな金額が動くので。

今回のケースでは、先方から訴えられて裁判となりました。

裁判となるとこちらも弁護士に委任するのですが、保険会社の弁護士は百戦錬磨の交通事故専門の方なので、交渉がうまいです。最終的にはこちらの言う通り過失相殺は20%で和解となりました。

その後、あの遺族はどうしているのだろうか。夏になるといつも思い出す。

そして今、僕にも子供ができましたので、あの時の遺族の気持ちがよくわかるな、、。

二輪に乗っている方はどうか気を付けてください。自分自身が安全に運転していても、相手からぶつけられるケースがあります。

僕がいままで担当した事故で、死亡したり重度後遺障害が発生した件は、大抵二輪者(もしくは歩行者)が被害にあったものでした。

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