自動ブレーキシステム(ASV)搭載車は、追突事故の防止に大きな効力があります。そのため、ASV搭載車は自動車保険料が安くなります。
ただ、損保会社的には、この割引は本当はやりたくないのです。今回はこのテーマについて述べます。
1.自動ブレーキにもいろいろ種類がある
今は軽自動車にも自動ブレーキが搭載されています。じゃあ、軽自動車の自動ブレーキとレクサス等高級車の自動ブレーキシステムは同じなのでしょうか?
答えはNOです。
自動ブレーキシステムには大きく3種類あります。
①赤外線レーザー式(性能:しょぼい 価格:安い)
②デュアルカメラ式(性能:まずまず 価格:まずまず)
③ミリ波レーダー式(性能:良い 価格:高い)
それぞれの特徴は割愛しますが、軽自動車のASVは①です。一方、高級車の場合は③がメイン(①、②、③ 複数搭載しているケースもあり)
損保会社目線でいうと。
「ミリ波レーダー式を割引するならまだしも、赤外線レーザー式まで一律割引するのはちょっと…」
という考えになるのです。じゃあ、「①~③で性能が違うんだから割引率を変えたらいいじゃないか」という意見が出そうですが、そんなことはできません。なぜなら軽自動車メーカーが猛反発するからです。割引率を変えたら、赤外線レーザーは性能が悪いことが世に広まってしまいますからね。
2.事故は減っても保険金の支払額は増える
ASVにより追突事故が減るのは事実です。たとえ赤外線レーザーでも、ないよりはましです。
ただ、もし事故が起きてしまった場は、ASV未搭載車両より修理代が増加してしまうのです。
特に、ミリ波レーダーは性能が高い反面、修理代が非常に高いです。。
ASV装置は追突事故は減らせますが、出会いがしらの事故や、飛び石による事故は防げません。
例)スバル車にフロントガラス飛び石事故が発生した場合
スバル車にはデュアルカメラ式のASV装置が標準搭載されています。
もし飛び石にフロントガラスが傷ついた場合、ASV未搭載車両であればガラス交換をすれば修理完了です。一方、スバル車はデュアルカメラがフロントガラスの後ろに搭載されているので、その調整料金が発生するのです。
ガラス交換したあともカメラが正常に作動するか確認するんですね。そしてその調整量が高額。
つまり、ASVは追突事故を減らせるが、減らせない事故もある。そして、もし事故が発生すると修理代が高額化する。
3.結論
①ASVにも種類がある。
②ASV搭載車両でも防ぎきれない事故はある。
③ASV搭載車両は修理代が高額化する。
上記理由により、損保会社的にはASV割引に否定的なのでした。
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